内科・漢方内科|横須賀市 久里浜
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2023.8.25

「甘草」を知ろう

 甘草は漢方薬の多くの処方薬の中に含有されていて非常に大切な役目を担っています。しかし、最近では甘草に含まれるグリチルリチン酸の副作用に目が向いて、偽性アルドステロン症という内分泌系の病気や低カリウム血症の原因として、一部では忌み嫌われる事があります。

そこで今一度、汪昴(おうこう)の著した『本草備要(ほんぞうびよう)』をひも解き、甘草について、正しく理解したいと思います。


1)万能薬の働き   甘草がどのようなものかというと、「補うあり、瀉あり、表をよくし、裏(り:内蔵のこと)をよくし、昇るをよくし、降りるをよくする」と『本草備要』のなかに書かれています。簡単に言えば、体の中で補うべきものは補い、体の中から追い出すものは追い出し、体の上方に行くべきものは登らせ、体の下方に下げるべきものは下げると言っているのです。つまり、今で言う「万能薬」の働きをしているものと考えられます。

2)生で用いれば   生で用いれば、気が平らかになり(気がおだやかになり)、脾胃の不足(胃腸の不調)を補い、心火を瀉す(胸部のうつ熱をさます)とされています。

3)炙った甘草を用いれば   炙った甘草を用いると気が温まり、三焦(さんしょう:下腹部)の元気を補い、表寒(体表面の寒け)を取り去るとされています。

4)元気を補う  和剤(病邪を緩和させる方剤)に入れればすぐに補益(元気を補う)とされています。

5)汗を発散  汗剤(発汗させる方剤)に入れればすぐに体表面の熱や汗を発散させるとされています。

6)熱を取り去る  涼剤(体を冷ます方剤)に入れればすぐに邪熱を取り去るとされています。

7)強い薬を緩和  峻剤(しゅんざい:わずかの量で作用を表す強い薬)に入れれば、その鋭い効果を緩和して気を正しくするとされています。

8)血液の潤い不足を正常に  潤剤(じゅんざい:からだの水分を補う方剤)に入れれば陰血(血液の潤い不足)を正常に戻す作用があるとされています。

9)調整役  よく諸薬を共和してそれぞれの生薬が喧嘩をせずうまくその役目を果たすように調整役を演じています。経絡の十二経に通じており、百薬の毒を解毒するさまは、国家の名家老のようだと伝えられています。

このように、甘草一味を調べてみても、その効果は変幻自在で、各々の生薬と組み合わさって、その長所を引き出し、うまくチームプレイに徹することもできるのです。

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(院長: 小野村)




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