内科・漢方内科|横須賀市 久里浜
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2023.6.3

身近にある漢方生薬

 普段四季の移ろいとともに目にする色々な植物があると思います。今回は、その中から、とくに身近でありながら、重要な働きをする生薬を紹介します。
(1)梅   日本には奈良時代に伝わり万葉集にも歌われた、梅酒や梅干しなど生活にも身近な植物です。漢方では未熟果実を烏梅(うばい)という言い方で呼ばれ、健胃、整腸、抗炎症作用があり、杏紫散(きょうそさん)、烏梅丸(うばいがん)などに用います。

(2)桜   「願はくは、花の下にていざ死なむ、その如月の望月の頃」と西行に読まれた句でも有名な日本人に愛される桜ですが、桜皮(おうひ)として咳止めや皮膚病の薬に用いられています。咳止めのブロチン液の原料として有名です。

(3)オケラ   漢方で用いるオケラは虫ではなく、オオバナオケラという多年草です。昔から白朮(びゃくじゅつ)の名で親しまれ、京都の八坂神社では「白朮詣で」が行われるほど親しまれてきました。健胃作用や利水効果があり、五苓散(ごれいさん)、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)などに配合されています。

(4)連翹(レンギョウ)   中国原産で、江戸時代に渡来し観賞用として栽培されてきました。雌雄異株の落葉低木で垂れた枝が地面に着くと根付き新しい株になります。乾燥した果実が連翹で、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)などの有名な処方に用いられています。

(5)こぶし   春に白い花を咲かせるシブデコブシのつぼみで辛夷(しんい)という生薬名で用いられ、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)や葛根湯加川?辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)などの処方に用いられます。

(6)ダイダイ   みかん科の常緑樹で中国から渡来しました。未熟果実を乾燥したものが枳実(きじつ)で、通導散(つうどうさん)、四逆散(しぎゃくさん)、大柴胡湯(だいさいことう)、麻子仁丸(ましにんがん)などに使用されています。

(7)柿   古くから果実やヘタを薬用に用いてきました。生の柿は二日酔いの予防に、柿のヘタはしゃっくりを止める柿蔕湯(していとう)として用いられています。

(8)菊   菊の花は抗炎症作用や視力改善効果があるとされ、杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)や明朗飲加菊花(めいろういんかきくか)などの眼病の薬に用いられています。

(9)桔梗   桔梗の根は抗炎症作用や排膿作用が強く、喉の薬の桔梗湯(ききょうとう)、じんましんや湿疹に使う十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)、化膿止めの排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)などに用いられています。
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(院長: 小野村)




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